October 08, 2008
「森川如春庵の世界」記念講演会に行って
たかが蓮、されど蓮。
7月から10月まで次々に花を咲かせるという説明で、夏中愉しむつもりだったのが、私の肥料のやり方がまずくて、一度全部枯れ、再び生え始めたのは9月。
その後、待ちに待った蕾が出るも冷え込みが続き、10日近く
様子見をするように立ち往生して固いままでした。
ここで力尽きてはならぬ、頼むぞ、と蓮の生命力を信じつつ、
寒空はいかにも気の毒で、気が気ではありませんでした。
何とも遅咲き。
夫と顔を見合わせて、うちらしいね、と笑ったのでした。
さて、昨晩は有楽町朝日ホールで開催された
三井記念美術館 特別展「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」の
記念講演会へ。
森川如春庵は16才で本阿弥光悦作の黒楽茶碗「時雨」、19才で同じく
光悦作の赤楽茶碗「乙御前」を所持した審美眼を持つ、いわば伝説の数寄者。
三井と係わりの深い益田鈍翁と、40才という年齢差を越えた交友があったとか。
「時雨」は、名古屋市に寄贈するに当たり、写真を撮ることも、茶を
立てて人に使わせることもならぬ、と言い残したそう。
それが、関係者の話し合いと尽力により、今回公開されています。
研究者の方も長らく見たことがなく、一度見てみたかった器だとか。
合わせて、三井記念美術館所蔵の国宝 志野茶碗「卯花墻」うのはながき
も展示されているようなので、この顔合わせも愉しみに、近々本展に
行くつもり。
講演をなさった林原美術館館長の熊倉功夫さんは、近代の茶人、
数寄者の研究者。
私のような素人にもわかりやすくユーモアを交えてお話しになる、
旧き良き時代の大茶人、数寄者が残した数々のエピソードは、当時の
おおらかな空気がそのまま伝わってきて、時間があっという間でした。
もうお1人は、行く度、美術館そのものに不思議な居心地の良さを感じる、
菊池寛実記念 智美術館館長の林屋晴三さん。実際に如春庵に会われた方。
如春庵の最晩年、白いあごひげをお腹の辺りまで!長く伸ばした
写真を見ながら、邪魔になるので両耳にひげ袋を引っ掛けて
いました、というエピソードには驚きました。
経済的にそれを賄えるものを持っていることが前提とはいえ、
徹底してそのものが好きである共通の想いが人とのめぐり合わせ、
そして物との縁も呼び、更なる人の縁に繋がっていく。
数寄者と呼ばれる人の交友の様子に、私達にも通じる人の想いの流れ
や巡り合わせも感じました。
